「AIで全部できる」は本当か

AIには、はっきり得意なことと、はっきり苦手なことがあります。

SNSを開くと「AIで仕事が全部終わる」って話も、 「AIはまだ使いものにならない」って話も流れてくるじゃないですか。 あれ、どっちも一部だけ当たってて、そのまま信じると頼み方を間違えるんですよね。

僕も最初は、何でも聞けば返ってくるもんだと思ってて。 で、返ってきたものが微妙で、AIってこんなものかと一回離れた時期があります。 線引きを知らなかっただけでした。

なので、先に線を引いておきます。頼む前に。

得意なこと

先に得意な方から。ここは素直に強いです。

得意なことたとえばなぜ得意か
文章を書く人に送る説明文、お知らせ、メモの清書材料さえ渡せば、決まった形に流し込める
長いものを読んでまとめる長い資料の要点、ためこんだメモ20枚から共通点を出す大量の文字を、こちらより速く読み通せる
形をそろえるバラバラのメモを1枚に整える、下書きを見出しごとに並べ直す手でやると退屈で、間違えやすい種類の作業
たたき台を出す調べる切り口を10個、名前の候補、構成のたたき台量を出すのが速い。選ぶのはこちらでやる
散らかったままの材料を渡すと、そろった形になって返ってくる
散らかったままの材料を渡すと、そろった形になって返ってくる
ここだけ覚える

材料を渡すと、決まった形になって返ってくる。この形の作業が、AIの得意分野です。

苦手なこと

逆に、こっちは今のところ苦手です。

  • 最新の出来事。調べる機能を使わないと、少し前の情報のまま答えます
  • 事実の正確さ。それらしい言い方で、間違ったことを書くことがあります
  • あなたの事情。伝えていないことは知りません。 あなたの読者のことも、前にやって滑った企画のことも
  • 最後の判断。案は出せますが、決めた結果の責任は取れません

このへんは、AIが手を抜いているわけじゃなくて、 そもそも見えていないだけなんですよね。知らないことは書けない。

つまずきやすいところ

「AIが言ってるんだから合ってるでしょ」と思って、そのまま出してしまう。

返ってきたものは下書きです。数字と固有名詞と日付、この3つだけ自分で確かめる。全部読み直さなくていいので、ここさえ見ておけば大きい事故はほぼ防げます。僕も一度、日付がずれたまま人に送ってやらかしています。

で、結局どこで分けるのか

材料を渡せば形になるか。判断はこれだけで足ります。

得意なことと苦手なことを1つずつ覚えていくやり方もあるんだけど、 正直そんなに覚えられないし、AIの中身は数か月で変わるので、 覚えたころには前提がずれていたりして、 それなら判断の基準を1個だけ持っておいたほうが長く使えるかなと思ってます。

迷ったときは、渡す材料が手元にあるかどうかだけ見てください。 ためこんだメモ20枚があるなら渡せる。どっちにするか決めるのは、渡す材料がそもそも無い。頭の中にあるうちは、まだ渡せません。

ここまでのまとめ

ここだけ覚える

材料を渡して形になるものは頼める。判断そのものは自分でやる。

とはいえ、線引きが分かっただけだと、 自分のどの作業が当てはまるかはまだ見えていないと思います。 次のSTEPで、自分が毎週やっている作業を書き出して、 当てはめられる状態にします。

終わったら、ここが言えるか確かめる
  • AIが得意な作業を、自分の言葉で3つ挙げられる
  • 返ってきたもののうち、必ず自分で確かめる3つ(数字・固有名詞・日付)が言える
  • 「材料を渡せば形になるか」で分ける、という基準を覚えた